3階建て戸建て住宅は、平屋や2階建てと比較したデメリットやメリットがいろいろとあります。3階建てに住んで数年経つ私はいろいろな体験からそれを実感しました。
これらのメリット・デメリットについて語りたいことはいろいろあるんですが、それは別でやるとして、実際に生活して初めて気づいた大きなデメリットがありました。
それは大型の家電や家具の搬入設置が大変だということ。狭い階段を通して上階に物を運ぶにはサイズに限界があります。大きなものは物理的に階段を通して持ち上げられないわけで。住む前にいろいろシミュレーションはしていたものの、これは想定できていませんでした。
しかし家具についてはそれをクリアできる方法があります。専門業者を使わずとも自分自身の手だけで。それはイケアで家具を買うこと!
えっ?どういうこと?
2階以上への大型家電家具設置は大掛かりになる
冷蔵庫搬入が大変だった
引越し当日に冷蔵庫を買い換えることに
かつて10年間ほど住んでいたマンションから新築一戸建てに引っ越す当日の話です。
そこで使っていた家電のほとんどは10年選手。エアコンと洗濯機は明らかに性能が落ちていたので引っ越しついでに破棄して買い換えたのですが、冷蔵庫はまだ使えそうだったので新しい家に運んで引き続き使うつもりでした。
しかしいざ運び出そうと冷蔵庫を動かしたとき、背面のパネルに湿ったホコリがこびりついて大量のカビが生えていることが判明。写真を撮っとけばよかったと思うぐらい酷い状態。今までよく動いてたなと感心するレベル。これじゃ新築にゴミを持ち込むようなものです。
引っ越し業者が大手だったので通販もやっており、ちょうど近くの倉庫に当日配送可能な冷蔵庫があると提案してくれました。搬入設置込みで提示された価格が家電量販店と大差なかったのでその場で即決。いままで使っていた冷蔵庫はそのまま廃棄となり、新居で新しい冷蔵庫の到着を待つことに。
階段が狭くて搬入ができない
しかしいざ新しい冷蔵庫が届いて運び込みを待っていると「階段を通せそうにない」との報告が。そうです、冷蔵庫設置予定のリビングは2階にあり、500リットルの大型冷蔵庫を通すには階段が狭すぎたのです。えー…
業者のほうから提案してくれた手前、スタッフが責任を持って「何とかします!」と頑張ってくれて、他所での作業が終わった引っ越すスタッフを集結させてロープで釣り上げ、2階のベランダ経由で見事搬入してくれました。その節はありがとう。ヒヤヒヤしたけど。
このような場合、通常はクレーンなどの機械で搬入となるのですが、その場合は3万円以上かかるのが相場のようです。しかしこれは盲点でした。2階にリビングあるとこんな苦労があるのか。
階段が狭いから2階以上に大きなものを運ぶのが大変
3階建ての戸建ては、ほとんどの場合2階にリビングがあります。
リビングには大きな家電や家具を設置することが多くなりますが、階段の狭さがあだとなって搬入が難しくなることがある。冷静に考えれば当たり前のことを引越し当日に認識しました。
2階のリビングだって相応にメリットはあるんですが、デメリットが大きい。
これじゃあ気に入った家電や家具があっても気軽に設置できないじゃないか!
それはその通りかもしれません。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は専門業者を使って搬入するしかない。追加の搬入設置費用を払って。故障とかのことを考えると今から憂鬱…
でもイケアの家具ならそれを自前でクリアできるのです。
IKEAなら2階や3階への家具設置も問題なし
日本のライフスタイルに浸透したIKEA
イケアが日本に再進出しておおよそ20年。
「なんとなくオシャレっぽくてリーズナブルな家具」としてすっかり日本の生活環境に浸透しました。主に大都市圏を中心に店舗が展開されています。
3階建ての木造住宅は大都市圏に建てられることがほとんど。この記事をご覧の3階建て住人、あるいは3階建て住人になる予定の方は、車で1時間の圏内にイケアがあるというケースが多いはずです。うちも神戸店と大阪の鶴浜店まで1時間で行ける範囲にあります。
組立家具だからパッケージ単位で搬入できる
基本的にイケアの家具は自分で組み立てる前提で売られています。
それがコストを下げて安く売ることができるひとつの要因。自分で巨大倉庫から必要なパッケージを探してピックアップする必要があります。
パッケージも驚くほど効率よくコンパクトに収められています。
小物から4人がけのダイニングテーブルセット、3人がけのカウチソファ。今までたくさんのイケア家具を買ってきましたが、パッケージが階段を通らないサイズだったということはありませんでした。
大きな家具の場合は、パッケージが複数に分かれてたりします。ソファだと3つぐらいのパッケージ分かれてたかな?ダイニングテーブルなんかは天板のパッケージが1.3メートル近くあったりしましたが、少なくともその大きさが問題にはならず。めっちゃ重かったけど。
そう、大きさより重さが問題という場合がありました。1つのパッケージで40キロ近くあるやつとか。成人男性だと持ち上げられない重さではないけど、ツルツルのパッケージだと取っ掛かりがなくてうまく持てません。でもそういうときは、パッケージを開梱して運べばOK。パッケージからばらしたパーツを一つずつ運ぶことで解決できます。
捨てる場合も分解すればOK
反対に捨てる場合もイケアなら問題なし。組み立ての反対の手順で分解して小さくしていけばいいから。
ただし分解してしまうとネジ穴が緩くなってしまったり、パーツを破損してしまうことがよくあります。イケアの棚は「ダボ」というパーツをつなげる小さな木の棒が多用されていることが多いのですが、力をかける方向を間違えるといとも簡単に折れます。
捨てるんだったら問題ないことなんですが、引っ越しで再利用する前提の分解ならちょっと厄介です。元通りにならなくなる可能性がある。
これが原因で、イケア家具は引越し業者に敬遠されたりするようです。
まあ分譲の一戸建てに住むならそうそう引っ越しの機会はないはずなので、あまり気にしなくていいと思いますが。
3階建てのわが家で使っているIKEAの大型家具
ではここで3階建ての我が家で実際に使っているイケア家具を紹介します。
いずれも2階リビングに置く大型家具で、完成形ではとてもうちの階段を通すことができないサイズ。パーツ単位でコンパクトに梱包されたイケアの家具だからこそ、階段を通して2階より上に設置することが可能となりました。
ダイニングテーブル「NORRAKER(ノッルオーケル)」
新居に入居するにあたってまず一番に選んだ家具がダイニングテーブルとチェア。それがNORRAKER(ノッルオーケル)というシリーズです。
前の家では食事も何もかもコタツテーブルの上で済ませていたのですが、リビングが広くなるならダイニングテーブルにしようと。
4人掛けサイズのテーブルに、大人用の椅子を2つと、子供用のベンチを1つ。業務用を想定した仕上げらしく、2年ほど使った今も表面のコーティングが劣化することなく美しいまま使えています。
これは今でもいい買い物をしたと思ってます。
3人掛けソファ「KARLSTAD(カルルスタード)」
新しい環境での生活にも慣れ、くつろげる場所が欲しいということで選んだのが3人がけのソファ。KARLSTAD(カルルスタード)というシリーズで、組み合わせや生地の色、材質が選べます。
ひとつ分のスペースを足が伸ばせてゴロンと寝転がれるカウチソファ仕様に。これ非常に快適です。齢40にして初めてのソファがある生活。こんなに快適だったとは。
しかしうちの中でもっとも大きな家具。搬入が大変でした。
イケア店内用のカートに乗せるのも一苦労。ソファだけでこの量のパッケージです。
レジを通したら倉庫でピックアップしたときよりも大きく感じる。ちょっと膨らんだんじゃないかと疑いたくなるほど。
あれ?そもそもこれは車に積んで持って帰れるの?と不安になったのですが、一部パッケージを開梱してパーツをばらすなどすればギリギリ積めたのでした。
3列目をたためるミニバンならいけるはずです。みんなもチャレンジしてみよう!
収納棚「KALLAX(カラックス)」
ものが増えてリビングが散らかるようになり、これはなんとかせねばと導入したのが大型の収納棚。KALLAX(カラックス)というシリーズで、30センチちょいのマス目を組み合わせたカラーボックス的な家具です。
最大5×5までマス目の数が選べるのですが、設置スペースの都合上、うちは4×4を選びました。これでも高さは150センチ近くあります。イケアの家具は重いというのが定説ですが、そのご多分に漏れずこれも重い。家具だけで60キロほどあり、本などを足すとたぶん100キロ超え。
こうなると地震で倒れたら凶器になりますので、しっかりと壁面の柱にネジ止めして固定しました。
なにせ直前に大阪北部地震を経験しているので慎重になります。イケアの家具はある程度の大きさになると必ず壁面への固定が推奨されていて、それ用のパーツも付属しています。
木造の持ち家なら壁に穴を開けるという作業も躊躇なく行えます。必ずやっておきましょう。
木造の家に家具を固定するために必要なアイテム
なお、こういった固定作業を行う場合、家の躯体、つまり柱などの下地を探してそこへ確実にネジ止めをする必要があります。向こうがスカスカの石膏ボードにネジ止めしても意味がありません。
そこで役立つのが「下地センサー」と呼ばれるアイテム。私が使っているのはこちら。
パソコンのマウスみたいな形をしていますが、使い方も似ています。壁にマウスをあてるようにしてスライドさせ、下地を見つけるアイテムです。下地がある位置に来ると、音や光で「この裏に下地があるぞ」と教えてくれる。
下地センサーでおおまかな下地の位置が分かったら、確認のため下地探しという針を刺します。
この針がズブズブと何センチも刺さるようなら、そこには下地がないと判断できます。下地があればそれ以上針が刺さらないので、そこには確実に下地があると判断できます。
この下地探しのアイテム、木造の戸建てに住んでDIYをするなら必須です。合わせて2000円ぐらいで買えるので常備しておきましょう。
イケアで家の家具を揃えるなら電動ドライバーもマストアイテム。ネジ止めがおおい棚なんかは、これがあれば何倍も作業が早くなります。
家庭で使うならこの電動ドライバーを買っとけば間違いなし。
イケアの家具で多用される「ポジドライブ」というプラスネジに似たネジにも対応しています。アダプター類も充実していて、壁に穴を開けたいならこのドリルアダプターを買いましょう。
ただ、穴を開けるだけというならダイソーで売ってるドリルビットも使えます。ビットが刺さったまま抜けにくいのでちょっとだけ面倒ですが。
意外と悪くないIKEAのアフターサポート
IKEAは大なり小なり初期不良が多いというのが実感ですが、意外とアフターサービスは手厚い印象で、今まで何度かお世話になった事があります。
レジの打ち間違いがあったけどスムーズに返金
ひとつめは、LED電球を買ったときにレジで1つ多くカウントされていたとき。
気づいたのが家に帰ってからレシートを確認したときで、3つしか買ってないのに4つ買ったことに。ネットから連絡したら疑われることなくスムーズに返金処理してもらえました。
一年前に買った電化製品の不良品を交換対応
ふたつめもさっき書いたLED電球関連。
LEDといえば長寿命が売りじゃないですか。でもこの電球、1年程度使った時期にチカチカしはじめて不安定になってきたんですよ。電球を確認したら電球内の発光パーツに光ってないものが出てきてたのです。しかも3つあつ電球の3つ全部に。
個体差があるのは分かっていますが、公称25000時間とされている寿命が5000時間も使わないうちに切れちゃったわけで、こりゃ不良品と言っていいのでは?と連絡すると、即交換対応となりました。
レシートは取っておこう
いずれもレシートを保存しており、品番やレジ番号、購入日時が分かるものだったので手続きもスムーズでした。
レシートに書いてある情報があれば、自分もイケア側もスムーズにコミュニケーションが取れるので、買い物をしてから数年はとっておくことをおすすめします。レシートの現物はなくとも情報さえあればいいので、スマホなんかで撮影してデータに残しておくかたちでもOK。
IKEAの家具で3階建てを楽しもう!
ということで3階建てにはイケアがいいよという、実体験を交えたおすすめでした。
イケアには安かろう悪かろうみたいなイメージもありますが、耐久性に関してはいまのところ問題を感じたことはありません。パーツの精度が低くて組み立てをするときに苦労したということはありますが、まあなんとかなります。その分、価格が安くなってるわけで。飽きたり劣化したりすれば、買い換えられるとポジティブに思っています。
何かと制限のある3階建てですが、イケアの家具を使って楽しみましょう。