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本体より高い?戸建て3階のエアコン取り付け工事費用を公開

3階建て

戸建て3階住宅最上階の3階にある部屋。夏が近づくにつれ暑さが増していきます。

3階の部屋は屋根が近いため、日差しによる直接の影響を受けやすい部屋です。3階建ての屋根は薄いことが多いからなおさら。屋根の影響を無視したとしても、暖かい空気は上へ上へとあがるわけで、家中の熱気が3階に大集合。最近の戸建ては外壁通気工法で壁の中の熱気も上へ上へと集まります。

それまでエアコン無しで過ごせていたとしても、6月ぐらいになるとやがて暑さに堪えかねエアコンの導入を検討することになるわけです。しかし戸建て住宅だと賃貸マンションのように簡単に取り付けることができません。特に3階建てだと。

新築ならそもそも配管を通す穴を開けないといけない。ベランダが隣接していないなら室外機を置く場所を検討しなくてはいけない。室外機までの配管も長くせざるをえない。ゆえに配管に必要なパーツも数が増える。結果として取り付け費用がかなり高額になる場合があります。

じゃあ具体的にいくらぐらいの費用がかかるんでしょう?

実際に「新築木造3階建て住宅でベランダが無い3階の部屋」へエアコンを取り付けた際にかかった費用についてそのリアルな数字を公開し、その費用がかかる理由を解説します。

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3階のエアコン設置費は本体代より高くなる

まずは工事見積書をご覧ください

多くの方は「結局のところ3階へのエアコン設置費用はいくらかかる?」という不安を持ってこの記事にたどり着いたと思うので、まず最初に実際の見積書を見てもらいます。

具体的な数字を知りたいはず。

あくまで一例として、うちの条件だとこうだったという見積りなので、目安としてご参考に。ではどうぞ!

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見積もり総額として「65,664円」となりました。見積もりにある作業内容の内訳は以下の通りです。

  • 高所作業…長いハシゴをかけて行う高い場所での特別な作業のため発生する料金
  • 配管延長…標準取り付け工事の長さから数メートル配管を追加するため発生する料金
  • 外化粧カバー…配管を保護するカバーを追加したため発生する料金
  • ストレート/45°曲がり/ジョイント…カバー設置に必要な部品代など

参考までに見積もりの前提条件はこのようになっています。

  • 大手家電量販店で購入と取り付け(ヤマダ電機)
  • 購入時期は6月の繁忙期直前
  • 1台分のみの工事費用
  • 室内機の設置場所は3階の部屋で5畳の広さ
  • 室外機の設置場所は9メートルほど下の1階地面
  • 配管には化粧カバーをつけて保護

本体の費用は別に支払っていますので、そこに追加される費用として「65,664円」という見積もりです。

しかしこのエアコンは標準的な取り付け工事の料金を込んだ価格で販売されていたエアコンです。量販店ではよくある販売のスタイル。標準工事の範囲は各社違うと思いますが、おおむね室内機からすぐ近くのベランダに室外機を置くという想定になっているはずです。

そのため穴あけなど基本的な工事料金は上の見積もりに含まれていません。なので正味の工事費としてはもうちょっと、少なくともプラス1万円ほどはかかるというのを考慮してください。

少なくとも1台あたり7万円ぐらいは覚悟しておく

あくまで目安ですが、3階にエアコンを取り付けるためには少なくとも7万円ぐらいの工事費がかかると覚悟しておいたほうがいいでしょう。

これは1台あたりの費用なので、設置台数が増えればそのまま倍々に。ちなみに本体は5万円台だったので、明らかに本体価格より高額になります。

どうでしょうこの工事費。

たぶん今まで賃貸マンションにしか住んだことがない人なら、べらぼうに高く感じると思います。私もそうでした。

しかしこの高額な工事費用には理由があり、その理由を知ればその額も妥当だと分かります。

3階へのエアコン設置費用が高額になる条件

ベランダがない3階の部屋は追加工事が必要になる

この記事にたどり着いたあなたは、新しく3階へのエアコン設置を検討しているところだと思います。ネットで色々調べてきて「どうやら3階へのエアコン設置はいろいろと大変で費用もかかるらしい」ということを知り始めているでしょう。

しかし3階だからといって、取り付け費用が必ず高額になるわけではありません。

ベランダや室外機を置くことを想定したミニベランダのようなスペースが隣接している部屋であれば、家電量販店の標準工事費用範囲内でほぼまかなえるはずです。

問題になるのは近くに室外機が置けない部屋。

図面で例をみてみましょう。ちなみに我が家の3階です。

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上の間取り図で緑色にマークした部屋は南側(図の下側)にベランダがあり、室内機のすぐそばに室外機を置くことが可能です。よって標準取り付け工事+αぐらいの費用で済みます。家電量販店のチラシに載っている価格からそう大きく外れることはありません。

赤色にマークした部屋は近くに室外機が置けないため1階に室外機を下ろすしか選択肢がありません。必然的に追加工事費用が必要となります。チラシ価格の倍の費用がかかる可能性があります。

室外機の位置が離れるほど工事費用がかかる

端的に言えば、室外機が近くに置けない3階の部屋は取り付け費用が高額になるということになります。エアコンって聞くと部屋の中に取り付ける室内機だけをイメージしがちですが、エアコンは室内機とそれ専用の室外機がセットになった電化製品です。

この記事は、上の間取り図で赤でマークしたような「ベランダがない新築木造3階住宅にある3階の部屋」にエアコンを取り付けるという前提でお読みください。今時の都心部ではよくあるケースだと思います。

3階へのエアコン設置が高額になる理由

3階にある部屋にエアコンを設置すると設置費が高額になる理由。それをまとめるとこうなります。

  • 高い場所での作業になるため特別作業費用がかかる
  • 室外機を1階の地面など離れた場所に置くため配管延長費用がかかる
  • 配管が長くなるとカバーの部品代や取り付け費が高くなる

ひとつずつ補足していきましょう。

高所作業になるため特別作業費用がかかる

エアコンの本体、室内機については、どの階の部屋に取り付けようがほとんど作業内容は変わりません。しかし配管用の穴あけと配管の処理は部屋の中だけは完結せず、必ず外からの作業も必要になります。

基本はハシゴを使って外から作業するのが前提になっているようです。この場合は「高所作業」費用として「一台設置につき10,000円」というのが相場みたいで、うちの場合もその額でした。危険を伴う作業で時間もかかるので仕方ないですね。

隣の家との間隔が狭いなど、ハシゴをかけるスペースが十分に確保できない場合は足場を組む大掛かりな作業となるようです。そうなれば7万円じゃとても収まりません。さらに倍を覚悟する必要があります。

室外機を1階の地面など離れた場所に置くため配管延長費用がかかる

木造戸建て住宅の3階で室外機をベランダに置けない場合は、以下のような設置場所の選択肢があります。

  1. 3階から1階の地面まで配管をのばして室外機を設置する
  2. 1階か2階の屋根に室外機を設置する

3階へのエアコン設置方法として一般的なのは、1階まで配管をのばして地面に室外機を置く方法です。

では1階に室外機を置いて3階に室内機を設置する場合、どれぐらい配管を延ばす必要があるのでしょうか?3階建ての図面を見ながら考えてみてみましょう。

またもや我が家の図面です。

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3階の屋根まではだいたい高さ10メートル。屋根の厚みは1メートル弱。今のエアコンは天井ギリギリにつけることが多いので、地上からエアコンまでの距離は8メートル台半ばってとこでしょうか。配管はそれと同じかそれ以上の長さが必要になります。

この配管の長さこそ、工事費用がかさんでしまう一番の原因。

1階か2階の屋根に室外機を置けるスペースがあるなら専用金具を取り付けてそこに設置する方法もあります。しかし最近のローコストな3階建ての家で、1階や2階に広い屋根がある構造は少ないんじゃないでしょうか?

うちなんて、上の図面を見れば分かるとおりなんの面白みもない寸胴の箱型ですし…

「壁に金具をつけて取り付けられるのでは?」とも思います。

しかし鉄筋コンクリート造りの家ならいざ知らず、木造の在来工法で作られた家の壁に室外機が取り付けられているのはあまり見たことがありません。詳しくは知り得ませんが、何か問題があるからそうなっているのでしょう。断熱や防水に問題が出そうですし、トラブルがあったときのメンテナンスも大変ですし。

なので今どきの3階建て木造住宅の3階にエアコンを設置する場合、3階から1階に室外機を下ろして、そこまで数メートル配管を伸ばすのが主流みたいです。

ではここで、3階からの1階へ伸びた配管を実際にみてもらいましょう。左の配管は雨水を流す雨どいで、エアコンの配管は左から2本目です。

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長っ!

これは1階の地面から3階を見上げた構図となります。綺麗に一直線で下りてきてますね。

当初の見積もりでは配管が2階の窓に干渉するかもということで、そこを避けるパーツが含まれていたんですが、当日取り付けようとしたらまっすぐ下ろせることが分かり、割引してもらえました。

もともと4メートルの配管は標準設置工事費として本体価格に含まれていたので、そこから6メートル延長して20,000円。正味の高さは9メートルあるかないかぐらいですが、室内機と室外機それぞれの接続箇所等で曲がりがあるので全部で10メートル分の配管が必要でした。

配管が長くなるとカバーの部品代や取り付け費が高くなる

配管はそのままテープ巻きをする処理だけして、だらんと一階まで垂らしてもらうこともできるのですが、今回は雨風で劣化しないように配管カバーをつけてもらうことにしました。

カバーは取り付けに絶対必要というわけではなく「うちはカバーなんぞ必要ないから工事費を節約しろ」という選択肢もあるので、費用的に削れる部分です。

もしカバーをつけないなら、節約できる額も大きくなります。

配管カバーは1メートルあたり2,500円程度、10メートル分で約25,000円。そこにジョイントの部品等が必要になるので、うちの場合は部品代として総額30,000円程度になりました。工事料金の半分を占めるので結構な額ですね。

だからここはカバー無しで少しでも予算を削るという選択もありっちゃあり。家電量販店のスタッフのお話では、カバー無しを選択する人も普通にいらっしゃるようです。

でもね…

基本的にはカバーをつけることをオススメ

これだけ長さと高さがあるので、雨風でボロボロになったらみっともない。強い風にあおられたら揺れてプランプランするし破損や性能低下につながりかねない。そうなったら高さもあるから補修する場合も大変。だから3階から1階に配管を伸ばすならつけておいた方がいいと思うのが私の考えです。皆さんもカバーをつけることをおすすめしたい。

実際、このエアコンを設置したわずか3ヵ月後の2018年9月4日、我が家を非常に強い台風が襲いました。関西地方に強風被害をもたらし、関西空港が水没してしまったあの台風です。

「どこから飛んできたんだ?」と思うような板や瓦が飛来しまくり、後片付けが大変でした。でもカバーをしていたおかげでエアコンの配管はノーダメージ。あの時カバーをつける判断をして良かったなと思いましたね。

工事費は「2階に室内機設置で1階に室外機設置」の倍が目安

3階の部屋に室内機を置いて1階に室外機を設置する場合の工事費用目安を家電量販店のスタッフに聞いたところ、2階の部屋に室内機を置いて1階に室外機を設置する場合の2倍というのが相場らしいです。

高所作業だし、配管が伸びれば部品も増えるので妥当な金額です。価格だけ見たら「うわっ!」と思いますが、ぼったくりじゃありません。

3階へのエアコン設置にまつわるウワサを検証

都市部では当たり前に建っている3階建ての木造住宅ですが、まだまだ2階建てのほうがずっと多いのが現状だし、これからもその割合はたいして変わらないでしょう。そのため、3階へのエアコン設置についても真偽不明な情報がネット上に飛び交っています。

分かる範囲で検証したいと思います。

3階へのエアコン取り付けを拒否される?

3階へのエアコン設置を希望しているけど断られた。

ネットで3階へのエアコン設置について調べていると、そういう内容の記事がたくさんん見つかります。私もいやほど見て不安になりました。

しかし地方ならいざ知らず、3階建てが多い都市部でそんな商売をしてたら他店に競り負けてしまいます。なので大手家電量販店での取り付けなら、門前払いされることはまずないでしょう。

私も3階へのエアコン設置をダメもとな気持ちで量販店に相談したところ、「えっ?特に問題無いよ?」という雰囲気で接客されましたし。

では3階へのエアコン設置を断られるという内容のネット記事をもう一度よく見てください。誰が書いてますか?

そう、ほとんどはエアコン設置業者が書いた記事です。そこからエアコン設置工事依頼に繋げるための広告記事だと思われます。嘘を書いているわけではないでしょうし、それ自体を否定するつもりはありません。商売だし。

ただ2階や1階への設置と比べれば、取り付けに問題が起こる可能性が高いのは間違いありません。 だから設置前の見積もりは必須。

そもそも3階建ては狭い土地を生かして敷地ギリギリに建物が建てられるケースが多い。そのため隣の家との隙間が狭い場合も。そもそも室外機が置けない、安全にハシゴが掛けられるスペースが無いなどの問題があると、すんなり工事に入ることが出来ません。

とりあえず素人考えでは埒があかないので、まずはお店や取り付け業者に相談しましょう。

配管が長いとエアコンに負荷がかかって壊れる?冷暖房効率も悪い?

室内機と室外機の距離が離れる、つまり3階への設置のように配管が長いとエアコンに負荷がかかって壊れやすい…らしい。…性能も落ちる…らしい。そんな情報もよく見ました。

仮に昔はそうだったとしましょう。

しかしエアコンの性能はどんどん上がっています。今では商品の性能として「3階建て対応」を明示しているものがほとんど。いやむしろ、私が調べた限り一番安いタイプの製品でも、3階建てへの設置が無理というエアコンはありませんでした。

調べたのはエアコンの仕様書にある配管についての記述。

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許容高低差はどのエアコンも10メートル以上確保されていました。3階建ての高さなら1階に室外機を置いても問題ないよとメーカーがはっきり公言しているわけです。

配管が延ばせる許容最大長は15~20メートル。設置場所の都合で横に配管が伸びたとしても問題ないよう、余裕を持って設計されています。

これで壊れたならメーカーの誇大表示ですよね。

多少は性能が落ちる可能性もあるみたいですが、数パーセントなら誤差の範囲内といえるでしょう。

実際、我が家では3階に室内機、1階に室外機を置いてエアコンを使っていますが、特に効きが悪いということは感じません。災害級の猛暑と言われた「2018年の7月」でも問題なく部屋を冷やしてくれました。

ちなみに使っているのはこの富士通ノクリア。

2018年のモデルでグレード的に一番安いものですが、部屋が狭いこともあってあっという間に涼しくなります。3階戸建ての3階にある部屋ってだいたい6畳までの広さなんで、性能的にはこれで十分。

3階用だからといって特殊なエアコンを買う必要はありません。予算や機能、デザインであなたのお好きなエアコンを選んでください。

3階へのエアコン設置をなるべく安く

私がしたように大手家電量販店でエアコンの購入から設置までをお願いするのもいいですが、通販などでなるべく安く本体だけ手に入れて自分で取り付け業者を選ぶことも出来ます。

楽天のお店の中から、型落ちモデルなどお得なエアコン本体を探すのも賢い選択。

新築に引っ越す場合でも、通販で買ったエアコンやもともと引っ越し前に使っていたエアコンを移設したいという場合もあるでしょう。引っ越し業者の手配で、引っ越しと同時に移設工事の手配をしてもらうことも可能です。

くらしのマーケットでお近くの工事業者を探してみるのもいいですね。





コメント

  1. […] いい加減エアコンを取り付けようと思いまして壁付けエアコンの工事費を調べました。するとベランダの無い3階の部屋に取り付け工事をするには7万円以上掛かるとのこと!6畳用エアコン本体より高い…。総額で13万〜14万ほど掛かってしまうっぽい。(参考:本体より高い?戸建て3階のエアコン取り付け工事費用を公開) […]