パワービルダーの家って実際どうなの?住人目線で語る本音

コラム
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パワービルダーというタイプに分類される戸建て分譲住宅を提供する企業。あるいはその企業が建てた家そのものについての記事はネットに溢れています。幸か不幸かこのページにたどりついたあなたも、今までいろいろな記事を見てきたことでしょう。

しかしそれらは住宅の仲介業者やそれに類する立場、つまり売り手側の目線で書かれたものが大半。価格設定や理念が今の時代にあっているというような肯定意見もありますが、安いという理由からやたら不安を煽るものも多い。「○○産業」とか「○○住建」で検索すると口コミサイトで不満を口にしている人が目だちます。

そんなネガティブな内容が多いので不安になった人も多いのでは?

ユニクロしかりイケアしかり、低価格で世に広く出回っている製品というのは「安かろう悪かろう」という評価が必ず一定量あって否定的な意見が出るのも当たり前といえば当たり前。しかし本当のところどうなんでしょう?

ここでは実際にパワービルダーの戸建住宅に住む住人、つまり私からみた「パワービルダーの家のリアル」を書いていきたいと思います。

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素人目線でパワービルダーの家の特徴を検証してみよう

よくいわれるパワービルダーの家の特徴として以下のようなものが挙げられます。

・見た目が画一的で無個性
・内装や設備のグレードが低くて安っぽい

あくまでこれらは住宅のプロの目線でみたもの。

建物の価格を抑えるため共通の建材や大量仕入れの設備を使うから、どうしても画一的で安っぽいものになってしまうというわけです。そりゃまあ、数々の住宅を見てきたプロからすればそうなるでしょう。

対して私は住宅についてずぶの素人です。住宅なんて今まで住んできた2箇所の賃貸と昭和50年代初期に建てられた実家しか知りません。素人が語るなという意見もあろうかと思いますが、そこは気にせず私が感じた正直な意見を書いて検証していきますよ。

【検証その1】見た目が画一的で無個性なのか?

バリエーションが限られている

よく言われる「どこも同じような見た目や造りで個性がなく面白くない」という点。まずこれから検証していきましょう。

まず結論から言いますと「おっしゃる通り」です。はい。

不動産情報サイトなんかに掲載されている外観写真や内装写真を見れば「これはうちと同じ会社が建てた家だ」というのが簡単に分かります。それほどに画一的で無個性。家全体の外観もデコボコや凝った造作が少なく、直方体って感じの家が多いです。

例えば施主の趣味嗜好が随所に反映されたこだわりの家。そういうタイプの家とは対極にある家と断言できるでしょう。建物探訪系の番組では絶対にとりあげられることはないでしょう。いくら待っても渡辺篤史はやって来ません。

これはコストダウンのため部材を一括大量仕入れをすることが一因のようです。限られたバリエーションの部材を大量仕入れすることで卸し値を下げてもらっているということですね。

じゃあどれぐらいのバリエーションがあるのか。実は諸事情で知ってます。

早く契約して注文住宅気分に

ちょっと話が逸れますが、すぐに繋がりますので安心してください。

建売というと既に建設が完了していたり、内装の施工が完了して外構を残すのみみたいな物件を内覧して購入を決める。そういうのがよくある流れです。

しかし私の場合は更地の状態、厳密に言うとその土地にまだ取り壊し前の古い物件が建っている状態で契約を済ませました。ここ数年対象エリアの物件情報を見続けてきた中で滅多に出てこない価格だったし、今住んでいるマンションからも徒歩5分圏内だったから。これを逃すと後がないかもしれない。

早く契約したので着工までかなり余裕がありました。そのため建売にも関わらず仕様の一部を自分達で選ぶことが出来たのです。外壁のパターン、床やドアなどのパターン、キッチンやお風呂のパターンなどの資料をもらいそこから好みのものを選択。ちょっとした注文住宅気分でしたね。他のパワービルダーでも同じ対応をしてくれるのか分かりませんが。

私たちが選べた仕様の一部を書いてみますので、これでバリエーションの幅がどれぐらいかイメージできると思います。これはパワービルダーの中でも関西で強いF社の例ですが、どこのパワービルダーも同じビジネスモデルなので、似たようなもんだと思います。

F社の分譲住宅は「ファーストタウン」というブランド名で売られるので、関西で家を探している人は見たことがあるかもしれません。

外壁(サイディング)のバリエーション

家の外観を大きく左右する外壁。今はどこのパワービルダーも窯業系サイディングという、セメントが主成分の大きな板を何枚も貼り付けて外壁を構成します。

ニチハとケイミューというのが2大企業で、膨大なタイプのサイディングがラインナップされています。厚みや機能性など様々で価格帯も幅広いですが、パワービルダーで使われるのはこの中でも一番安いタイプ。

デザインについてだけ選ぶことができ、ベースとなるホワイト系の色が2パターン、玄関周りなどのアクセントとして選べる濃い系の色ものがそれぞれ8パターン設定されていました。

これが実際に提供されたサイディングのパターンです。この組み合わせから選ぶことができます。サイディングのメーカーはニチハですね。

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ご覧の通り「2ベース×8アクセント」で全部で16パターンしかありません。広い土地を区切った20戸程度の規模の大きな分譲地なら、必然的に外壁のカラーリングがかぶる家もでてきますね。

内装(フローリング、部屋やクローゼットのドア)のバリエーション

床や建具のデザイン。

これは僅か3パターンのみ。ホワイト系の明るいパターン、茶色系の高級感があるパターン、ナチュラルなパターン、そんな感じ。1階はホワイト系、2階は茶色系なんて選択は出来ず全階共通です。

その他のバリエーション(キッチンや風呂場など)

その他細かいところを書くと、システムキッチンのパネルが10パターン、お風呂のパネルが8パターン、玄関タイルが8パターンほどでした。

玄関ドアは8つのデザインにそれぞれ10種ほどの色が設定されていて選択肢が豊富でした。ちなみにYKK APのヴェナートというドアです。

(Amazonってドアまで売ってるんだ…)

全く同じにはならないけど見る人が見れば分かる

トータルで見れば組み合わせパターンは膨大で、全く同じデザインになるという確率は限りなく低いといえます。パワービルダーは広く空いた土地を区切ってぎっしり家を建てますが、デザイン的には極力かぶりがないよう配慮して組み合わせを考えるはず。間取りにも微妙に差異を出すようですし。

しかしある程度の数の物件を見てきた人は「あれは○○産業の家だな」「こっちは○○住建だ」という目利きが出来るようになるはずです。そういう意味ではやっぱり無個性。

でもこれは○○ハウスとかの大手ハウスメーカーでもあることですよね。そもそも他人はそんな細かいこと気にしてませんし、住む人が満足していればそれでいい。だから無個性でもいいんじゃないでしょうか?

【検証その2】内装や設備のグレードが低くて安っぽいのか?

確かにシリーズ中で安いものが使われることが多い

パワービルダーは内壁や床などの内装、設備のグレードが低い。これもよく言われること。

これも結論ありきで書きますとその通りでした。「でした」の理由はのちほど。

食洗機、浴室乾燥機、モニター付きドアホン、カードで開くスマートドア。昭和に建てられた古い実家、そして平成初期に立てられた賃貸住宅にしか住んだことがない私からすれば、それはもうSFの世界に近い「未来のおうち」です。

施工会社から提供された資料を何度も何度も見返してワクワクしていましたね。

入居してから気付いたそのグレード

入居したらそれが自分で触れるわけです。

無駄にスイッチをおして「すげー!風が出る!」とか「外の様子がモニターに写ってる!」とかいちいち感動してました。これは未来が来たなと。生活のランクが上がったような気にもなりました。未来は僕の手の中!

そしてちゃんと使い込もうと説明書を見ることに。もちろん施工会社から紙の説明書を貰ってるんですが、私は日本の家電メーカーの電化製品を買うとメーカーウェブサイトにあるPDFデータをGoogleDriveに保存し、パソコンやスマホで見れるようにしています。これいつでもどこでも見れるし検索も出来て便利なんでおすすめ。

そこでメーカーのサイトを見回ったわけですが、そこで気付きました。あ、この家についてる設備ってシリーズ中の一番ランクが低いやつか型落ちしてるやつばかりだと。

例を挙げてみましょう。

ビルトイン食洗機はいちばん安いやつ

たとえばこのリンナイのビルトイン食洗機。型番はRKW-404A。

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メーカーのサイトで見ると、現行製品ではあるものの掲載されている中で最廉価モデルでした。市場価格を調べると…3万円台!安っ!いまどきこんな値段で食洗機が買えるのか。

なお、ほとんどのパワービルダーにおいて食洗機は標準装備ではないはずです。普通はついてない。うちは追加料金を払いオプションで付けました。その料金15万円。食洗機3万円ということは取り付け工事費が10万円以上?う~ん、どうなんだろこれ。

まあ配管やシステムキッチンへの組み込みはめっちゃ綺麗に仕上げてもらってるし、いいとするか。次に買い換えるときは最低限の工賃で済むだろうし。

なにより安くても洗浄力にはなんの不満もありません。引っ越して初めて使ったけど食洗機すごい。家事革命。かなり感動して、そして確実に役に立ってます。いずれこれは記事にまとめたい。

食洗機と同じく、最近の住宅では標準装備に近い床暖房も普通はついてこないですね。

フローリングが木じゃなかった!

フローリングはてっきり本当の木が使われているのかと思ったら、MDF素材の上に木目をプリントしたプラスチック素材が張ってあるタイプでした。確かによく見たら同じ木目のパターンが見つかります。

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天然の木を使ってるならまず有り得ないこと。なるほど確かにプリントだと実感しました。同時にリアルでよくできてるなとも思いましたが。

具体的にはダイケンの「サンロードアート」という商品らしく、パワービルダーの家やローコスト住宅系では定番のアイテムみたいです。そしてこれがネット上で評判が悪い。

なぜか。

MDFってのはざっくり言うと木の切れっ端をぎゅっと固めたような素材で、水を吸うと簡単に膨らみます。それで建前上水ぶきができないという仕様になっていて使い勝手が悪いと。使い方によっては耐久性も低くなると。気を使う人は業者を使ってコーティングするみたいですね。

私はそれを知らずに何度か水をこぼしたりウェットワイパーで拭いたりしてますが今のところ不具合はないです。盛大にこぼして放置しない限りほとんど問題ないんじゃないですかね。浸透具合に差はあれど無垢の木でも水は吸うわけですし。それより物を落としてもなかなかキズが付かないのはGOODです。

ネット上の不評は、コーティングなどのサービスを提供する企業の煽りが多くを占めてるのではないかと推測しています。

その他いろいろなグレード

その他もあります。例えばお風呂はTOTOのサザナというシリーズで、2017年現在は床が「ほっカラリ床」という乾きやすくて柔らかく断熱性のある床が標準仕様のようです。しかし同じ2017年に建った我が家は”ほっ”がないただの「カラリ床」でした。乾きやすいけど硬くて冷たい。

外構に植樹スペースがあって「シンボルツリー」なるものを植えてある家がありますが、うちはちょっとした隙間に花壇的なものが作られてスギっぽい針葉樹とツツジが申し訳程度に植わってるだけ。

そんな感じでメーカーのシリーズ中でもグレードの低いランクのものが使われていることが多かったり、よくよく調べればコストダウンのあとがそこかしこにみてとれます。

家の中の内装、造作もいたってシンプルで、デザイン的にこだわったような部分ありません。劇的ビフォアアフターで見るような、匠が作ったこだわりの収納みたいなのはありません。そこに四角い部屋と最低限の収納があるだけです。全体的にカクカクしている。吹き抜け?何それ?

賃貸より確実に満足度は高い

安い建売を揶揄して賃貸並みというけれど

パワービルダーの家の造りや設備のグレードを揶揄して「賃貸並み」という言われ方をすることがあります。

私はそんなことを言う人に問いたい。あなたは一般的なファミリー向け賃貸に住んだことがあるのかと。知ってるのかと。

多くの賃貸住宅における設備のグレードは、分譲住宅にくらべてずっと低いです。ファミリー向けの広い物件は特に。もちろん築年数が浅くてグレードの高いファミリー用賃貸物件もありますが、その家賃はローンを月々払うよりもかなり高く設定されているはずです。

そもそも家族4人が快適に過ごせる広さや設備をもった賃貸ってめっちゃ少ないんですよ。あったとしてもさっき書いたように家賃がやたら高いか、古くて汚いか。地域にもよると思いますが、私が住んでいる地域は明らかにその傾向があります。

築年数が古い賃貸は未だに昭和の名残を残しています。

私が最近まで住んでいた賃貸は、脱衣所と廊下がアコーディオンカーテンで仕切られていました(隙間風が入る)。キッチンの水道は混合栓ではなく水とお湯の取っ手が別々にあるタイプでした(使い勝手が悪い)。ガスはプロパンでした(料金が高い)。お風呂の追い炊き機能などありませんし、給湯スイッチがお風呂に無いので熱いお湯を足すこともできません(冬場は我慢退会)。断熱材入ってるのかなと疑いたくなるぐらい冬は寒いし夏は暑い(年中我慢退会)。

パワービルダーの家にある設備は、一般的な賃貸住宅よりも明らかにグレードが高く快適です。少なくとも私は満足していますし、住み始めたころは感動すら覚えていました。

例えるならパワービルダーの家はDELLのパソコン

これまで書いてきたように、見た目や設備面は注文住宅なんかと比べたら安っぽいと言わざるを得ないでしょう。

しかし家自体の作りは、今の住宅に求められる耐震性、断熱性などをしっかり備えています。これはおそらくフラット35Sの審査を通すための仕様だと思われます。表現が適当かどうか分かりませんが「ハード」はそれなりにしっかりしている。決して高スペックとはいえないけど問題なく使えるレベルに。

反対に見た目や「ソフト」ともいえる内装や設備は、何度も書いてますが安っぽいです。標準でついてこない設備もたくさん。

ふと気付きました。これってパソコンに似てるなと。

今はだいぶましになりましたが、90年代ぐらいに売っていたメーカー製パソコンって、最初からインストールされているソフトがてんこ盛りで値段も高かったじゃないですか?その中にはろくに使わないソフトもあったり。

そこに対抗するかのごとく、DELLなどが無駄を省いて低価格にしたパソコンを売り出して大きなシェアを占めるようになりました。メーカー製とは対照的に、必要最低限なソフトしかインストールされていないシンプルなパソコン。必要に応じて自分で選んでインストールする必要があるけど、普通に使う分には困ることはない。ハード的なスペックは、安いモデルを選んでもそこそこ高い。

パワービルダーの家はこれに似ています。

自分好みで付け足せばいい

パワービルダーの家はパソコンと違って耐震性などのハード面はスペックが固定で選べないけど、普通に暮らしていくには問題ない性能がある。

ソフト面たる内装や設備は最低限だけど、それは必要に応じて自分で選んで足せばいい。収納が足りなければIKEAなんかで家具を買って追加できます。幸か不幸か、パワービルダーの家にある部屋はシンプルな直方体であることがほとんどなので、家具の配置も容易です。

これはIKEAのKALLAXという収納棚をリビングに配置しているところ。

凝った造作なんかが無いので、こういったシンプルな家具をスッキリと配置できるのがパワービルダーの家のいいところ。

ハード面といえる家の基礎や躯体は基本的に交換できるものじゃないから、最初からそこそこのスペックが必要です。反面、ソフト面といえる内装や設備は後から付け足したり交換したりが容易。それなりに金はかかりますけど。

そういう観点で見れば、パワービルダーの家は無駄を省いた合理的な家といえます。外装はともかく、内装は自分好みのカスタマイズがやりやすいはずです。

【まとめ】自分が満足していればそれでいいんじゃない?

私は釣りを趣味として長いのですが、竿やリールを見ればそれが高級品か廉価品かの判断がだいたいつきます。じゃあ高級品じゃないと魚が釣れないかというと価格はたいして関係ない。安い道具でも釣れます。魚を釣るという目的はどちらでも達成できます。

確かに高級な釣り具は質感も使い勝手もいいです。なるほど、高いものをつかっているという満足感もあります。でも上をみればきりがない。安い釣り具でも使う人が満足して手に馴染んでいればそれはそれで一級品なのです。

家も同じじゃないでしょうか?

そりゃ高級な建材で建てられ豪華な設備が詰め込まれた広い家には憧れますし、お金があるならそっちのほうがいいでしょう。

でも家族が生活していくうえでそれらが必要かどうか。私は必要ないと考えます。現代において標準的なスペックの家であれば十分快適に家族が暮らしていけるはず。よそと比べてどうとか考えるときりがないです。

そういった意味でパワービルダーの家を買うという選択、私は大いにアリだと思います。否定的な意見もそれはそれで間違ってないんでしょうけど。

色々な情報を参照してぜひ「自分で判断」して決めましょう。